<事業内容>

 

自宅の売却アドバイス

企業や個人の債務整理と再生サポート

法人または個人の任意整理、清算サポート

担保付不動産の任意売却

任意売却とは

自宅売却の方法には大きく分けて、債権者主導による「競売」と、債務者主導による「任意売却」の二つがあります。

債務者の方のなかには、抵当権割れした担保付不動産を債務者自ら売却することはできないと思い込んでおられる方が少なくありません。しかし、実際には、それは通常多く行われていることなのです。

現在銀行等は、競売または任意売却での処分を積極的に行っておりますが、私は、債権者の主導で行われる競売でもなく、また債権者の思惑で銀行等が紹介する不動産業者による一方的任意売却でもない、あくまでも債務者の主導で任意に売却することの方が、精神的にも、経済的にも有利に働くものと考えております。

また当該不動産がご自宅である場合、種々の要件が整うならば、その過程のなかで別の金融機関で住宅ローンを組む等、新たな借入れをして債務者の関係者に対し売却するという方法等で、選択肢の一つである買戻しを図るという検討もできます。

また相手方である銀行、信用金庫、信用保証協会等々の金融機関としても、国の政策に基づいて、売却により不良債権の処理を早めたいというのが本音です。

しかし相手は組織です。組織の仕組みをよく理解した上で、無用な発言を避け、担当者が組織のなかで「処理しやすい」内容の書類を整えて提示する必要があります。つまり時価と思われる価格の提示(債権者側も査定してるが)、その客観資料等の提供、債権者が複数の場合、特に各配分金額がポイントになるそれぞれの弁済額の配分表等をもって提案をすることが肝要であり、この提案に対し納得させられるような粘り強い交渉が必要です。

このように任意売却とは、債務者主導で債権者と話合いをし、時価と思われる価格で売却、その代金範囲内で弁済し、引換えに(根)抵当権、差押え等の抹消および解除を受けることを言います。この売買に係る経費はこの代金のなかでまかなわれます。

また債務者主導ですので、債務者には進行状況の一部始終がすべて披瀝されたなかで進められますので、この進行過程において債務者にとって少しでも有利に働くよう進めることが可能であり重要です。

任意売却の流れ

下記のように順調に進められることでなく、競売の場合との比較などで作成した配分案に対し複数の(根)抵当権者の間での駆け引きと思惑等で紆余曲折があり、やっと合意にたどり着くというのが通常です。

また、案件によっては占有者等の交渉、また他の権利とは言えない程度の権利解除の交渉等も必要となります。

 

■ご依頼人からのご一報により

①参上、まず私自身を評価して頂き、依頼者さんとして可のご判断

  でしたら、 状況、債務内容、およびお考え等をお聞かせ頂きます。

②私として、当該不動産ならびに内容を客観的見方で調査確認する

  作業を 行い、提示いたします。

■任意売却が適当であると判断できた場合

③債務者として担保付不動産を任意売却する旨を通知すると共に、(根)抵当権者とのさわり程度の意思を確認します。

 

④平行して買受人の探索作業を開始します。

■よい買受人がついたとき

 

⑤買受人から「買付け証明書」を受領し、本格的(根)抵当権者等と

  抵当権抹消ならびに弁済額の交渉に入ります。

  (根)抵当権者が複数の場合、各(根)抵当権者間の権利調整つまり

  配分の問題があり、暗黙のルールと競売の場合の法律上の配分

  との比較で任意売却の配分表を作成することになります。

  この場合、(根)抵当権者に対しこの配分表以外に時価に関する

  客観資料、当該買付証明書等を用意することになります。

※なお(根)抵当権者との交ごとなどは、債務者ご本人が行い、私はサポートする立場を原則としています。場合により、弁護士をたてて交渉する事もあります。

■全部の債権者等の同意を得たとき

 

⑥停止条件付不動産売買契約を締結します。

  停止条件とは引渡し時に所有権以外の(根)抵当権等の全部の

  権利が抹消解除されなかったときは契約を白紙撤回するという内容

  のものです。

  つまり(根)抵当権者は組織ですので、同意があったとしても同意の

  書面をくれませんので、まずないことではありますが、引渡しまでの

  間に何らかの事情で(根)抵当権者の意思が変わった場合の安全を

  期してこのような契約になります。

 

⑦当該不動産の引渡しおよび一括決済、この段階で所有者は

  買受人に所有権を移転し、(根)抵当権者等に対しすでに確定した

  配分表に従い弁済し、(根)抵当権者等は(根)抵当権、差押え等々の

  全ての所有権以外の権利を抹消解除します。

  これらは全て同時に実行され、引渡しおよび決済は完了します。

 

※売却後の残債務の問題

資産インフレから資産デフレになった現情勢下、当然のことですが含み損がでるわけですので、この担保付不動産を売却しますと、残債務が残ることになります。

この残債務が払える状態ならば返済も滞りなく払えたのでしょうから、この残債務を払える道理がありません。そしてこの残債務は担保付不動産の売却後は「無担保債務」ということです。逆手に言えばもう取られる担保が無いということです。

※もちろんその段階まで至ってない債務者ならびに保証人ならば同人らの名義の物が残っている場合は、別の対応を要します。

債権者である銀行等は当該債務者に対する案件を完結させるため、多くの場合この無担保債権を債権回収株式会社(サービサー)に売却することになります。つまり無担保債権の債権譲渡です。

サービサーとは新たな法律「債権回収法」に基づき銀行等が回収不能なった債権の買取りまたは回収代行を業とした会社で、その回収差益と代行手数料で利益を生むことを目的とした会社です。その債権譲渡額が無担保債権の場合、債権額の0.5~3%程度の破格値であると一般的に言われています。

実は、このサービサーの存在が債務者にとって債務圧縮させる機能を果たしているのです。

つまり銀行は損失処理をして税メリットを出し、サービサーは利益を生み、債務者は負債の圧縮ができるという三者プラスの合理的債権処理方法になっているのです。

ただし銀行等の様々な事情、背景、およびタイミングにより、簡単にはサービサーへの譲渡を行いませんので、長く注視する必要があります。

 

つまり当該銀行等がサービサーへ債権譲渡した段階で、改めて減額交渉をすることにより債務者もバブルという失政の結果から生じた負債から解放されるということになります。

 

更に別の問題を取り上げますと、債務免除益という利益は課税対象であるという次の問題があります。

正式に債権圧縮されますと、債務者にとって債務免除益が生まれ、それが課税対象になるということです。

多くの大手企業が多額の債権放棄を銀行から受け、この課税問題についてあまり表面化されていないことが私は不思議でならないのですが、この件は疎いのでここまでにします。

個人で実際に課税されたという話は未だ聞いたことがありませんが、注意を要することとして頭の片隅に入れておいてください。

個人的には、実質で債権放棄されたことになっていればそれでよいと思っています。

 

更に次の問題として、その債権放棄が正式でなければ何時までも建前上の残債務が残ることになり、債務者または保証人が個人ならば、相続のとき、このマイナス資産を相続人が相続し、相続人がまた苦しむという悪循環が生じるという恐れもあります。

相続人としては相続権放棄または限定承認(限定相続)での処理の仕方しか方法がないのかも知れません。

 

また企業の場合では青色損金が潤沢にあり、更に多額の含み損のある企業ならば問題ありませんが、突然原価のない大きな経理上利益が与えられるわけで、その場合企業はどのように処理されているのでしょうか?

この件については今の私の知識では疑問の程度で、これ以上追いかけることができません。いずれにしても注意を要する事項ですので、税理士の指導を受ける事が寛容です。

 

 

抵当権抹消に応じないとき

※滌除(てきじょ)、つまり抵当権消滅

法律的手段としては、競売開始決定に係る差押えの効力が生じるまでは民法378条「滌除」(てきじょ)という方法があります。現在は民事執行法の平成15年改正により「抵当権消滅法」という名前に変わり、内容も変わりました。

この内容は、買受人となる第三者の取得者が当該担保付不動産をある金額で評価して、その額を支払うから(根)抵当権を抹消するよう(根)抵当権者に要求する制度です。

(根)抵当権者はこれに応じても応じなくてもよいのですが、その回答期限は2ヶ月で、応じないときはこの期限内に裁判所に対し競売の申し立てをしなければならないのです。

また無視したら承諾とみなされることになっています。

このように(根)抵当権者としては短期間に決断を迫られる事態になる上に、応じないときは競売コストまでも予納しなければなりません。

軽々に乱用することはできませんが、提示額が不当に低額でなく妥当金額の場合には受け入れられるケースが多いようです。

 

またこの手続きはやってみないと分からない部分が多々ある上に、結果によっては不動産を失う可能性がありますが「どうしても守りたい不動産」があるとき、または任意売却の交渉過程で「(根)抵当権の抹消に応じない」または「任意売却の交渉が難航」したときの切り札として活用できます。

 

※ 以上ですが、私の基本スタンスはご依頼人ご本人の立て直しスキームを組むこと、及び債務者ご本人の気持ちを理解共有し、サポートをさせて頂く事にあります。

しかし、ご本人が(根)抵当権者との交渉ができない場合、法律行為である交渉事は弁護士をたてるようにしています。